別表第2事件: 別表第2事件は、調停を申し立てることも審判を申し立てることも可能な事件で、審判事件でもあり調停事件でもあります。
別表第2事件は、家事事件手続法での別表第2に規定されており、家事事件手続法施行前までは、家事審判法における乙類事件と呼ばれていた家事事件です。 別表第2事件の主な事件内容は、財産分与、婚姻費用の分担、子の監護に関する処分、親権者の指定又は変更、遺産分割などです。 こうして並べてみるとわかるとおり、別表第2事件は大抵が争い含みですが、訴訟の対象ではなく調停と審判のどちらからでも申し立てることができます。 しかし、自主的な話合いによる解決を第一に期待することから、審判を申し立てても家庭裁判所は職権で調停をさせる(付調停と呼ばれます)ことが可能で、調停から始める場合も少なくありません。 別表第2調停はこのような性質を持つため、調停が成立した場合には確定した審判と同じ効力を持ち、調停が不成立の場合には調停の申立て時に審判の申立てがあったとみなされるので、自動的に審判に移行して結論が示されることになります。 したがって、調停を申し立てた場合、審判を申し立てて付調停の場合、審判を申し立てて審判される場合のいずれも、得られる効力(確定審判)に差がありません。
カテゴリ | 調停または審判される事項 | 項 |
---|---|---|
婚姻等 | 夫婦間の協力扶助に関する処分 | 1 |
婚姻費用の分担に関する処分 | 2 | |
子の監護に関する処分 | 3 | |
財産の分与に関する処分 | 4 | |
離婚等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定 | 5 | |
親子 | 離縁等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定 | 6 |
親権 | 養子の離縁後に親権者となるべき者の指定 | 7 |
親権者の指定又は変更 | 8 | |
扶養 | 扶養の順位の決定及びその決定の変更又は取消し | 9 |
扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消し | 10 | |
相続 | 相続の場合における祭具等の所有権の承継者の指定 | 11 |
遺産の分割 | 遺産の分割 | 12 |
遺産の分割の禁止 | 13 | |
寄与分を定める処分 | 14 | |
厚生年金保険法等 | 請求すべき按分割合に関する処分 | 15 |
生活保護法等 | 扶養義務者の負担すべき費用額の確定 | 16 |
しかしながら、調停に代わる審判が確定したときは、調停から自動移行した審判が確定したのと同じ効力を持ちます。よって、調停成立、調停に代わる審判確定、調停から自動移行した審判確定のいずれも効力は同じです。 なお、調停に代わる審判に異議が申し立てられ効力を失ったときは、審判に自動移行するので、別表第2事件が解決するパターンは次の4通りです(抗告審を除く)。
- 調停成立
- 調停不成立→審判確定
- 調停が成立しない→調停に代わる審判確定
- 調停が成立しない→調停に代わる審判異議申立て→審判確定
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